2016年1月18日月曜日

What about writing recipes

夕方に母とメールをしていたら、
先週のweb掲載のレシピをチェックしてくれていたようで、
「今晩、鶏団子のお鍋にtryしてみるよ。」と
送ってくれた。

レシピ作りは、再現性がとても難しいので、
伝えたかったように上手に実際のお家で作れているのか、
いつもとても心配になる。

夜ごはんの時間の頃、
そわそわとしていると、
「美味しかったよ。お父さん美味しい連発。
鶏団子、フワフワで味も丁度いいわね。
色々に使えそうなのでメモしておこうっと。」と
送ってくれた。


スプーン2つを使って、フットボール形につくるお団子も、
親指と人差し指の間から、ムギュッと出してつくるお団子も、
いつか母が教えてくれたなぁ、と思い出した。


レシピはラブレターだな、と思う。

どう書いたら、
どういう食材や調味料を使ったら、
どういうポイントを載せたら、
どういう手順の書き方をしたら、
伝えたいお料理をお家でも作り易く届けられるかな。
ということを、とてもとても考えながらつくっていて、

何度も頭の中でいろいろなお家のキッチンを想像して、
何度もいろいろなシチュエーションの作ってくれるだろう人を想像して、
何度も書き直したり、
何度も調味料を調整したり、手順を考え直したりする。


大切な人をおいしいもので喜ばせたい、幸せにしたいな、
という気持ちに届くような提案を考えたいし、
もし、そのレシピをせっかく選んでくれたなら、
なるべくその気持ちに応えられるような、
おいしかったと思ってもらえるレシピでありたいな、思っている。


おいしいもので大切なだれかを喜ばせたいな、って
いう気持ちが愛みたいなものだとするならば、

その気持ちを文字にして書き綴ったレシピは、
ラブレターみたい、と思う。



今晩は、
母の大切な人を、少し幸せにしたようだった。

なんだかうれしくて少し、泣けちゃう。




2015年2月24日火曜日

オーツキ食堂と真夜中


家から徒歩3分の場所にあるその食堂は、
移転にあたって、昨日の深夜でこれまでの場所での営業を
終了した。

最後の瞬間は、そのお店らしく、
愛らしい人達が集って、あたたかく、なんとなく
終わっていった。


個人営業の飲食店が多い街ではあるけれども、
夜が早いのが意外な特徴で、
遅くまで営業をしていたそのお店を、
私たちは我が家のダイニングのように愛していた。

楽しい気持ちの日も、へとへとの日も。
心がざわざわとする日も、大仕事が終わってほっとした日も、
なんとなく悲しい日も。

そこにあって、
店主のオーツキさんが、
ふわふわとした感じでそこにいて、
ビールとワインと、
ごはんがあって。

いつも一息ついていた。


真夜中に、
読みかけの本を持って、
パジャマみたいな格好で
ひとりで静かにしていると、
とても平和な気持ちになった。

ふと知り合いがやってきて、
山盛りのフライドポテトを分けたりして、
なんだかこどもの頃みたいな気持ちになったりした。


さっきまで、にこにことお客さんをサービスしていた、
飲食店の人達が、付かず離れずの距離感で平和的に
一息をつくオーツキ食堂の真夜中は、
いつもとても、やさしかった。

2014年7月7日月曜日

THINGS around GOCHISO


8月2日・3日に渋谷のhaus&terrasseにて企画展を開催します。

今回はわたしがメンバーのFOOD unit GOCHISOが
すきなものや、ことや、ひとを集めた企画。

会場には大きな大きなテラスがあって、
そこから見える景色は、まるで東京ではないみたい。


GOCHISOが夏の間だけ営む小さなカフェ。
おいしいものを食べたり飲んだり、
なかよしとおしゃべりして、
わいわいと、ゆったりと、過ごしながら
「今日も暑いなぁ。」と考えたりする。


すっかり気に入ってしまったその場所は、
夏の空にきっとぴったりだろうと
まだ寒かった頃から始動したプロジェクト。


tobari という
一枚の布で日常の世界の空気を
変えてみせてくれる作家さんが、
今回のためにお台所まわりの布ものを
いろいろに作ってくれる予定です。

エプロンの生地は遠くリトアニアから、
とても上質なものを取り寄せて製作中。

DMで使われているプレイスマットも
彼の作品のひとつです。
スープを置いた瞬間の、「はっ」とした気持ちを
ぜひみなさんにもお届けしたいです。

ほかの作品も、とてもとても楽しみ。


そして、ケータリングでもよく使っている
父のウッドボードも販売する予定。

材木屋さんを営む実家で、
長い間大切に寝かせていた国産の天然木を
今回のために板にひいてもらいました。

毎日の食卓になじむ様に、
型紙を作って、ぴったりと思う大きさや形を
全部で4種類デザインしました。

私が小さな頃から、いろいろなものを作って下さった
職人さんの長年の技が美しいです。


3日のお昼にはLUNCH PARTYも開催します。
真夏のパーティが今から楽しみです。


みなさま、夏のお楽しみに
ぜひぜひご予定下さい。


THINGS around GOCHISO
2014年8月2日(土)12:00-19:00
   8月3日(日)11:00-18:30

LUNCH PARTY
8月3日(日)12:00-13:30
ticket : ¥2,500(food + 2 drink)
ご予約はfoodgochiso@gmail.comまで





2014年4月25日金曜日

みこりん食堂 4月26日のお献立

久しぶりのみこりん食堂のお知らせに、
たくさんの「いいね!」を頂戴しありがとうございます。

昨年は、新しくはじめたお料理とケータリングの
プロジェクトGOCHISOに、息を吸うのも忘れるくらい
とてもとても集中して、緊張して取り組んでいたので、
ずっと続けていた食堂をなかなか開けることができませんでした。


けれど、最近
「もう食堂はやらないの?」
「最近食堂やっていないの?」
「またやってよ。」
と、言って頂くことがたくさんあって。

いつの間にか、みんなの生活になじんでいって
いたんだなぁ、と教えてもらうことができました。

それは、とてもとても幸せなメッセージでした。

ロンドンから戻って、
平日は仕事をしながら始めた「みこりん食堂」。
あっと言う間に3年以上経ったようです。

そんなわけで、
今年は、またなるべく開けたいな、
という気持ちになっています。


「みこりん食堂」で作っているごはんは、
私が家族と食べたいごはんです。

繰り返しの定番のものがあって、
旬のものが少し入って、
ちょっと手間のかかるものや、
安くておいしくてボリュームがあるものも。
あたたかいごはんとおみそ汁と、
たっぷりのあたたかいお茶があるような。

たわいのない日常や近況のおしゃべりと、
特別でないごはんです。

またぼちぼちとやっていきます。
ぜひひやかしに、来て下さい。

<お献立>
・ハンバーグ
・鯖の味噌煮

つけ合わせは
・フキノトウの入ったたまご焼き
・きんぴらごぼう
・キャベツの浅漬け
・もやしと小松菜のおみそ汁


みこりん食堂
住所:武蔵野市吉祥寺本町1-25-21
営業時間:12:00-19:00

吉祥寺駅北口を出て、右側に線路沿いを進むと、
ファミリーマートとナポリタン屋さんの間を入って
すぐの右側にあるのがmikorinです。

2014年4月22日火曜日

さくらのはなのちるをみている。


はるの、終わっていくのをみている。

細くて冷たいはるの雨に、
終わりかけた八重桜の花びらの
たくさんたくさん散らされて。

道の端に吹き溜まるのを

見つけてそのふかふかに、
こっそり手を入れてみる。

手のひらから正大に
吹かれていく花びらを。


みている、

ふわふわで白いふかふかの

スポンジの。

ケーキの上に散らしてみたい。


はるうまれのあの子にそっと。

届けてみたい。
そんな気がする。


くもり空。

さくらのはなのちるをみている。